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□ 2012/03/12 無題 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
河津桜は咲いたがソメイヨシノの開花はまだまだ先のようだ。恐らく来月になるだろう。 |
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□ 2012/03/11 温度と味覚 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
味は大きく分け、塩味、甘味、酸味、苦味の四種類があり、日本ではこれに旨味が加わり五種類に増える。日本の五味は世界でも稀だ。 人が感じる味覚は、口にした食品の温度変化で感じ方も変化する。「甘味」は体温に近い程強く感じ、冷えると弱くなる。溶けたアイスクリームが妙に甘いのはそのせいだ。「酸味」は温度による影響が小さく、「苦味」や「塩味」は温度低下と共に強く感じる。丁度好い味の味噌汁が、冷めてしまうと妙にしょっぱくなるのは味覚の変化による。 それぞれの食品(飲料を含め)には、その食品固有の美味しさがある。その美味しさの要素全てを損なうこと無く感じることが出来る温度帯がある。誰しもが生温いボトル飲料よりは、冷えた井戸水の方を好む筈だ。握り飯も冷たいものより、温かいご飯を握ったものの方が遥に美味しい。まさに雲泥の差が出る。 だが、生温いボトル飲料が冷えていたらどうだろう。果してどちらを美味しく感じるのだろうか。人の好みは様々だが美味しさを引き出せる温度帯は必ず存在する。冷え過ぎれば味覚が鈍化し本来味わえる筈の半分も感じることが出来なくなる。 |
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最近はますます冷えた状態の食品を好む傾向が強くなった。ビールや日本酒、麺類等にしても、ただ冷えてさえいれば美味しいと感じる味音痴も増えている。冷えていることを「美味しく感じる」のは単なる好みの問題なのだが…「心地良さ」も味の中と言われればそれまでだ。しかし、食品本来の風味が失われては意味がない。 酒を提供する店の多くはギンギンに冷えたものを出す。それがサービスだと思っているかのようだ。封を開けたら急激に味が落ちるの日本酒では、保管上止むを得ないのかも知れないが、風味を大切にする配慮に欠ける。そもそもギンギンに冷して良いのは安酒と相場が決まっている。 ビールにしても日本では冷し過ぎのきらいがあるが、風味を大切にするドイツでは8℃前後が好まれる。これは日本人にとっては極めてヌル~イと感じる温度だ。とにかく冷たければ何でもOKな輩も多く、凍ったジョッキにこれまた凍りそうなぐらい冷したビールを注いで出す店までもがある。味音痴の極みだ。 アメリカ人もギンギンに冷えたものを好む。尤も、バドワイザーのような味のないマズイ(失礼!)ビールを飲んでいる連中のやることは信用できないが… |
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□ 201/03/09 君子和而不同 小人同而不和 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
後輩に上司との軋轢で悩んでいると相談を受けた。彼の直接の上司は非常に頑固で、明らかに間違っていても持論を変えることがなく、他人の意見に耳を傾けることはしないらしい。それ故、彼と対立することが多く、実直(世渡りが下手?)な後輩はこの関係をかなり気にして落ち込んでいた。 世の中には己の意見を持たず、常に他人の目を気にして惑わされ、簡単に同調したり迎合したりする者が結構いるし、己の考えに固執する者もこれまた多い。要は身近なものを信用できないだけなのだが、そのくせ内情を良く知らない者の意見には同調する。尤も、内情を知らないからこそ言えることもあるが… |
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論語「子路第13の23」に「子曰 君子和而不同 小人同而不和」《君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず》とある。立派な人物は協調はするが、安易に雷同するようなことはせず、逆に小人は簡単に雷同はするが、協調はしない、と言う意味だ。協調性は社会人としては欠かせぬ要素だが、道理に背いてまで同調する必用が無いのもまた真理だ。道理に背けば協調では無く雷同を意味する。そこからは何も産まれ無いだろう。ところがこの簡単な理屈が組織内では通用しないことが多々あるのも事実だ。 論語「衛霊公第15の23」に「子曰 君子不以言擧人 不以人廢言」《子曰わく 君子は言を以て人を挙(あ)げず 人を以て言を廃(はい)せず》ともあるが、組織の命令系統は上から下へが普通だ。流れに逆らってまで頑なに道理を通すことが果たして得策なのかどうかとなると、その判断はかなり難しい。特にサラリーマンにとって上司に逆らうことは、正しい意見(正しいからこそ!)であっても自殺行為にも等しい場合がある。相手が道理の通らない堅物(非論理的で感情的な人物の意)で、「潔さ」を持ち合わせていない人物の場合は尚更だ。 |
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生きる以上「背は腹に代えられない」のも道理で、取り敢えず食べてゆかねばならないのが現実だ。「長いものには巻かれろ」とも云うが、世の中には納得できないことが多過ぎる。「巧言令色鮮仁」《こうげんれいしょくすくなしじん》と孔子は述べてもいるが、道理の通らない堅物にはヨイショをこの上なく好む者は意外と多いものだ。「了解しました」と答え、心の中で「しかし納得した訳ではありませんが…」と付け加えておけば良い。きっとそのうち良いこともあるだろう…と答えておいた。我慢できないのであれば転職しかないが、この不景気では命がけの冒険になる。
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□ 2012/03/08 冷凍食品の賞味期限とアイスクリーム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
仕事柄(食品関係)、賞味期限について訊かれることがよくある。先日も娘に何故アイスクリームに賞味期限表示のあるものと無いものとがあるのかと訊ねられた。確かに一部の食品には賞味期限の提示を免除されている。乳製品であるアイスクリーム類がそれだ。 早速、表示状況を調べる為、階下のコンビニ(最近1Fに開店した・便利だ!)で買いもしないアイスクリームをイロイロひっくり返し、調べてみた。やはり思った通りで、表示してあるメーカーと、そうでないメーカーとある。 日本アイスクリーム協会によると、乳等省令・第7条第6項で「アイスクリーム類にあっては期限及びその保存方法を省略することができる」と定められているとのこと。これは業界団体が定め、公正取引委員会の許可を受ける類のもので、賞味期限の規定ではない。賞味期限は本来農林水産省(表示・規格課)の管轄なのだ。ところが、アイスクリーム類のような賞味期限の表示免除品目は、管理を業者に一任し「表示する」「しない」は「省略できる」ことになっている。尤も、賞味期限は消費期限(製造日より5日以内)とは異なり、その日までは「美味しく食べられますヨ」と製造メーカーが宣言したもので、その判断は業者の良識に任されている結構いい加減な制度だ。 |
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品質の変化が極めて少ないとされ、賞味期限の表示が免除されているものの一覧(氷菓・アイスクリーム類を除く)には以下のものがある。 ①澱粉 ②砂糖 ③食塩 ④旨味調味料 ⑤チューインガム ⑥飲料水・清涼飲料水(ガラス瓶入り・紙栓のものを除く・ポリエチレン製容器入りのものに限る)・氷、等がある 実際には飲料水や清涼飲料水にも賞味期限が表示されているのが普通だし、澱粉にも賞味期限は記載されている。今時の国産品で「賞味期限表示」の無いものの方が珍しい。 |
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それではアイスクリーム同様に冷凍流通する他の食品(冷凍食品)とは何処が違うのかと言うと、冷凍食品は長期保存すると油の酸化(冷凍焼けと呼ばれる現象)が進行する。賞味期限表示が義務付けられていないと「美味しく食べられる期間」が消費者に伝わらないからだ。 一方、氷菓やアイスクリーム類は時間経過が商品に及ぼす影響が小さく、むしろ適切な温度帯(-18℃以下)で管理されているか否かの方が重要になってくる。従って、温度管理さえ適切であれば基本的には賞味期限は気にせずに良いとされている。まぁ、簡単に言えば法律に記載義務をうたっていないからに他ならないが… |
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但し、冷凍食品と言えども保管方法によっては容易に劣化する。例えば、家庭の冷凍冷蔵庫では劣化を気にせず食べられるのはせいぜい1ヶ月程度だと思っていた方が良い。食品メーカーが保有するような-30~50℃まで下げられるものとは次元が違う。 温度を下げることにより雑菌の繁殖を抑える効果が得られ、結果として長期の保存が可能になる。しかし、それでも必ず劣化はする。液体窒素等で凍結させれば理論的には永遠に保存できる筈だが、そんなことをする意味は何処にも無い。信頼できるメーカーのものを、温度管理のしっかりした店で購入し、さっさと食べきることが一番賢い。 アイスクリーム類でも、普通の冷凍食品でも、製品表面に霜が氷付いたようになっているものは、適切な温度帯で管理されていなかった証拠で、劣化が進んでいる悪い状態だと思って間違いない。 |
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