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□ 2013/02/21 餅(モチ)は冷めると硬くなる

日本は糯米(もちごめ)で餅を作る。糯米から作るのはどうやら日本だけのようで、中国や韓国では粳米(うるちまい)で作るのが一般的なようだ。
搗きたての餅は独特の粘りと風味がある。火鉢を囲んで餅を焼くのは正月の風物詩だった。今では火鉢のある家の方が珍しく、餅も一年中手に入る。食生活の変貌とともに正月に餅を食べる習慣が無くなった。
餅は一旦冷めてしまうと嘘のように硬くなってしまう。ところが、硬くなったパンは温めても硬いままだが、餅はカラカラに乾燥でもしていなければ、再び柔らかさを取り戻す。何故だろう。

餅
http://uramono.org/topicnews/5604.html

粳米は品種にもよるが、一般的には硬さを左右する澱粉の主成分の一つであるアミノペクチンの含有量が65~85%、粘り気を左右するアミロースが15~35%で成り立つ。
海外の品種ではアミロースが10%以下のものから、30%を超えるものまである。国内産では、アミロース含量量5~15%の低アミロース米と、含量量25%以上の高アミロース米とがある。
低アミロース米は丁度粳(うるち)米と糯(もち)米との中間のような品種で、ミルキークイーン、スノーパール、柔小町等がある。低アミロース米は冷えても硬くなり難くい性質を活かし、「冷凍おにぎり」や「レトルト米飯」等に利用され、高アミロース米には、ホシユタカ、ホシニシキ、夢十色等があり、こちらは冷めるとパサパサになるので、「ピラフ」や「炒飯」等に利用される。
鹿児島大学・竹田靖史名誉教授の研究によると、タイ米のようなパサパサしたインディカ種は、ジャポニカ種よりアミロース含有量が多いと思われていたが、アミロースはほぼ同量であり、パサパサ感の原因はアミロペクチンの分子構造にあったことが解明された。(アミロースは分子構造の鎖が枝分かれしていないので絡み難く粘らない、一方アミロペクチンは枝分かれが有り絡み易い。)
一方、糯(もち)米の澱粉は100%がアミノペクチンで、アミロースを一切含まない。粳(うるち)米と糯(もち)米の違いはこのアミロースが含まれるか否かによって決まるのだ。
一般に粳(うるち)米は半透明で細長く、糯(もち)米はやや丸みが強く乳白色をしているが、中には糯米の中には半透明のものもある。


それでは、焼いた餅が冷めると硬くなるのかと言うと、それは澱粉の分子構造による。生米の澱粉分子鎖(β-デンプン)は固く集まった大きな塊りで、消化のための酵素が働き難い。これに水を加えて加熱すると、固く集まっていた分子構造がばらけ、消化し易い構造のα-澱粉へと変貌する。
放置して温度が下がった餅は元のβ-デンプンに戻り、嘘のように硬くなる。ところが、加熱さえすれば再び柔らかさを取り戻す。、取り込まれた水分があるうちは、温めると何度でも柔らかさを取り戻す。全ては加熱すると変化する澱粉構造と取り込まれた水分のお陰だ。
因みに、α-澱粉化したものを急速に冷凍したり乾燥させると、β-澱粉には戻らず、α-澱粉状態のまま固定される。この性質を利用すれば、家庭でも簡単にご飯を美味しく保存できる。つまり、ご飯を温かい状態で一気に冷凍してしまえば良いのだ。但し、温かいまま冷凍庫へ放り込むのは些か経済的ではない…
 米品質の研究動向(PDF)
□ 2013/02/20 無花果(ムカカ)・いちじく 

乾燥イチジク(イラン産)を買った。子供の頃には他所様から頂戴して(盗んで?)皆で食べた。イチジクの木はどこの庭にもあったし、勝手に頂戴しても特に怒られた記憶はない。イチジクや桑の実、柿は常に手の届くところにあった。特に桑の実は養蚕農家では必要のないものだったので、幾ら頂戴しても怒られる心配がなかった。そのせいか人気ダントツだった。
懐かしくなって今でもイチジクを食べる(買う!)時があるが、飢えていたあの頃と違い「美味しい」とは思わない。やはり昔の味には敵わない。
今回乾燥させたものを買ったのは「食べたことが無いから…」ただそれだけの理由だが、どうやら肉を軟らかくする用途(蛋白質分解酵素)に使えるらしい。また、食後に摂ると消化を促し、整腸作用もあると云う。

乾燥イチジク

アラビア南部原産のクワ科イチジク属の果実で、6000年前には既に栽培が始まっていたと考えられている歴史ある果実だ。あのアダムとイブの局部を隠したとされる葉っぱもイチジクの葉だ。
漢字では「無花果」と書き、花嚢内部に無数の雄蕊(おしべ)と雌蕊(めしべ)をつけるが、外からではその様子が見えず、まるで花を咲かせずに実をつけたかのように見えることでその名が付いたようだ。

イチジク
http://kyo-no-hana.com/blogs/kyohana/2011/09/post-2524.html

伝来当初(江戸時代初期・寛永の頃)は、蓬莱柿(ほうらいし)・南蛮柿(なんばんがき・唐柿(とうがき)等々と呼ばれ、ペルシャ、中国を経て、長崎に渡来した。当初は薬用(乾燥させる)としてのみ栽培され、そのまま生で食べるようなことは無かったが、栽培が容易であった(挿し木で簡単に増える)ことから、生産量が飛躍的に増え、徐々に生食されるようになったようだ。
最近は人気が出たのかどうかは知らないが、時期になると一斉にスーパーに並ぶ。栽培品種のせいか色艶も良く、自然のものに比べると遙かに立派だ。また、自然のものの中には内に虫(受粉を媒介するイチジクコバチ)がビッシリと巣食っているものもあるが、栽培品種(単為結果性品種)ではその心配が全く無い。虫に受粉を必要としないからだ。
栄養価にも優れ、豊富な食物繊維、ビタミンB1、B2、C、果糖、葡萄糖、蛋白質、ビタミン類、カリウム、カルシウム、鉄、ペクチン等々が含まれる。特にカルシウムは果実の中では最も含有量が高いとされ、食物繊維は乾燥させたものでプルーンの約3倍ある。(双方生食ならプルーンの勝ちだが…)
あっ、それと味ですが…買ってまでも食べるシロモノとは思えない。思ったより食べると硬くはなく、噛み締めれば噛み締める程、甘くなる。しかし、後味は良くない。そのまま食べるものではないのだろう。
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