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□ 2014/10/02 稲の原産地と日本への伝来

新米は産地によって出回り始める時期に差がある。南の九州は8月の上旬頃、北の北海道は10月中旬あたりが多くなる。いよいよご飯の美味しくなる季節だ。
日本人の好みや気候風土に応じて品種改良を重ねた結果、今や400種以上にも上る品種がある。
もちもちした食感や香りを重視したもの、冷めても硬くなり難いものや、低アレルゲン米、古代米等々と、消費者の好みに合わせた米作りが盛んに行われている。近年、この傾向がますます強くなっているようだ。
粘り気の多い「もち米」は、お餅や赤飯、おこわ等に用いられ、普段の食事にはもち米に比べ、粘り気が少ない「うるち米」が好まれるが、最近では「炊いた時には粘り気があり冷めてもボソボソになり難い品種」の人気が高まっている。
その「炊いた時には粘り気があり冷めてもボソボソになり難い品種」が「ミルキークイーン」を代表とする「低アミロース米」で、冷めてもボソボソになり難い性質から、コンビニでの需要が高く、生産されるほぼ全量が先行予約だと云う。愛妻弁当派には嬉しい品種なのだが、一般には入手困難なのが残念だ。

天皇陛下は、五穀豊穣と民の幸福を祈られることを第一の仕事としている。
参照【新嘗祭】 今でも陛下は新嘗祭まで新米を口にすることはない。

日本の米に含まれる澱粉質には「アミロース」と「アミロペクチン」の2種類があり、粘り気の多いもち米の澱粉は100%がアミロペクチンで、粘り気が少ないうるち米の澱粉は20%程度のアミロースと80%程度のアミロペクチンとで構成されている。
同じジャポニカ米であっても、アミロペクチンの量によって性質が異なり、東南アジア方面で生産されるインディカ米長粒種は日本人の好みには合わず、日本のうるち米もまた東南アジア方面では、その特徴である「粘り気」が嫌われる傾向にある。
 #071(2013/02/21) 餅(モチ)は冷めると硬くなる を参照されたい。


アジア以外でも米を食べる国や民族は多いが、炊飯専用の釜をもつのは何故かタイと日本だけだ。料理が変態的に進歩した中国でさえ専用の釜は存在しない。尤も、中華鍋一つあればあらゆる料理に対応できるので、必要性を感じなかったのかも知れない…

左からジャポニカ米の短粒種 中粒種 インディカ米の長粒種

米は中国の雲南省から、ラオス、ミャンマーとの国境を接する亜熱帯気候のかなり広範囲な地域が原産地で、10000年以上前から栽培されている。栽培の起源は中国の長江(揚子江)流域だとされ、畑作中心の黄河文明に対し稲作が中心で、ジャポニカ種が栽培されていた。
最近は日本で稲作開始時期の解明が徐々に進み、朝鮮半島からの伝来説が有力であったが、中国政府が東北地方(旧満州)で20年以上費やした稲の品種調査と、最近の遺伝子工学的な取り組みが決定的な成果をあげ、朝鮮半島経由で日本へ伝来した可能性は完全に否定された。
佐藤 洋一郎教授の「ジャポニカ米DNAの研究」によると、東アジアのジャポニカ米のDNAのSSRは、①MR1-a ②MR1-b ③MR1-c ④MR1-d ⑤MR1-e ⑥MR1-f⑦ MR1-g ⑧MR1-h の8種類に分類することができ、その8種類全てが中国には存在する。朝鮮半島のジャポニカ米は②のMR1-b を除く7種類があり、日本には①MR1-a ②MR1-b ③MR1-c の3種類のみが確認できる。(下図参照)

 

仮に、水稲が朝鮮半島経由で伝来したとすると、②のMR1-b が朝鮮半島の水稲から発見されなければならない。ところが、中国と日本のジャポニカ米からは②のMR1-b が見つかるが、朝鮮半島では見つからない。更に、日本は3種類のみだが、朝鮮半島には7種類もジャポニカ米がある。つまり、ジャポニカ米は日本へ伝播したルートと、朝鮮半島へ伝播したルートが明らかに別々であったと結論付けられる。
最新の年代測定法(放射性炭素年代測定)での研究でも、日本の稲作開始時期は陸稲が6700年、水稲が3200年程度であることが確認されている。朝鮮半島の水稲栽培が1500年程度前までしか遡れないことから、稲作の開始時期は日本が遙かに古いことが証明された。
また、朝鮮半島の稲は九州北部と栽培法が酷似し、遺伝子学的には日本の古代米に中国から伝来した稲の遺伝子が交雑したものと考えられている。
これ等のことから、水稲は日本から朝鮮半島へ、陸稲は中国経由で朝鮮半島へ伝わったことが考えられ、中国の研究機関でも同じ結論が出ていると云う。
 姉妹サイト「トッポギレシピと趣味のウキ・操体法」内に食の雑学として「稲の原産地と日本・稲の伝来」で似たようなものを書いているが、こちらのブログの方が情報は一部新しい。
エステ
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