前谷津川(まえやつがわ)緑道で花見・So What最近は台湾の女性歌手に凝っている・So What
 
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2023/02/16 淡路島の市民プロジェクト "放置竹林はメンマで"

持続可能な開発目標 (SDGs) の一環として、兵庫県の淡路島で放置竹林を「食料」として活用しようとする試みが本格化しているようだ。
産経WESTによると、市民グループあわじ里山プロジェクトが伐採した竹を利用して始めた「メンマ製造」が「純国産メンマ」として過去3年、ほぼ完売する程の人気だと云う。
林野庁の資料によると、国内の竹林面積は1954年で約16.7万ヘクタールだったが、その後の30年間で東京ドーム約4280個分にあたる約2万ヘクタールも広がったという。
*東京ドーム換算:大規模建築物として著名であることから、対象の広さや量を強調する手段として使われ、最近では面積や体積を換算する単位として扱われる場合もある。
ちなみに東京ドームの面積は4.6ヘクタール。(1ヘクタールは10000平方メートル)

掘り起こされた竹の地下茎
竹は繁殖力が大変強く、また成長も早い。放置するとたちまち周囲に広がり、日光を遮って周囲の樹木を枯らしてしまう。農作物を荒らす野生動物の棲み処となり獣害を引き起こすこともある。
更に困ったことに、竹は開花すると地下茎で繋がった竹林全体が一斉に枯れてしまうことだろう。過去にも日光で笹(竹の仲間)が一斉に開花したことがある。笹は開花することで多くの種を落とした後に姿を消した。全て枯れてしまった。
大量に落ちた種子は一時的に小動物の爆発的な増加を招く。しかし、増えすぎると今度は増加した彼らの食料を全く賄えなくなる。飢えがやってくるのだ。昔から野鼠が一斉に山を下り田畑を荒らしたりするのは自然の営みだ。
日光(栃木県)には多くの鹿が生息する。笹が一斉に枯れてしまったことで鹿がエサ不足に陥り、樹皮を齧り取って空腹を満たすようになってしまった。食べられた木はたちまち痛んで枯れてしまう。また、笹がなくなった場所には外来植物が侵出し植生に大きな影響を及ぼしている。
竹は日本各地に広く分布し、昔から身近な資材として生活に利用されてきた。しかし、もともと多くの竹林があったわけでは無い。
日本に竹林が増えたのは西洋での釣り竿需要の高まりに由来する。農家の副業として竹の生産が始まり、急激に作地面積は増加した。その後、釣り竿はグラスロッドへ移行し、竹の需要は激減した。そして、カーボンロッドの登場で完全にその需要は途絶えた。生計の足しとはならなくなり竹林は荒廃していった。
主にフライフィッシング等に使われる高価な竿で、バンブーを6角形に貼り合わせて作られている。これは欧州に竹がなく、バンブーでは充分な反発力とネバリが得られないからだ。バンブーでは道管が内側から外側まで均一に分布するが、竹はそれとは異なり外側に行くに従い細かく小さくなる。このことによりバンブーでは得られない強い反発力と粘りが得られる。
また竹製品も近年では安価な輸入品が増加し、筍の生産量(和食の衰退と販売価格が最大の要因だと思う)も減少傾向にある。結果、荒廃した竹林増加に拍車がかかっている。
この放置され竹林の竹を、新たな食材「国産メンマ」として活用する取り組みは素晴らしいアイデアだ。
メンマの独特の風味はラーメンのトッピングとしても酒の肴としても実に良い。しかし、このメンマの材料麻竹(マタケ)は日本には残念ながら分布していない。「竹なんかどこにでもあるだろう」と思うだろうが、竹と麻竹(マタケ)は似て非なるもの。全く別物だ。
麻竹はバンブー類で、高さ20~30メートルにも成長するイネ科の植物で、原産地は南アジアのミャンマー辺りだと云われている。竹や笹のように 地下茎を形成せず株立ちするのが特徴だ。その葉は大型で重く、幹から直角に出た枝はその重さに耐えられず垂れ下がる。
竹を代用した「国産メンマ」も従来のメンマと作り方は全く同じだ。メンマはかつては100%が台湾産だった。しかし、生産農家の減少により現在では95%が大陸(主に広東省)からの輸入に変わっている。
戦後間もない頃、横浜の中華街を視察した故松村秋水氏(当時台湾在住・丸松物産会長・2007年05月16日没)は、麺にシナチク(現在は死語だ)が乗せてあるのを見て、その使い方に大変感心したそうだ。面白いことにメンマの故郷である中国(台湾省嘉義市の周辺)では麺に具を乗せる習慣はない。
松村氏は日本に帰国してから本格的に販売をする際に、麺に入れるのが麻竹(マチク)なので「メンマ」と名付けたと云う。
 

https://youtu.be/T_LcswaznQc
Creation Date: 10-JUL-2010  

Miles Davis - So What
Music video by Miles Davis performing So What.
(C) 2008 SONY MUSIC ENTERTAINMENT










 
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