#107
580
BBS
Contact
Wayside Flower
Archives:The Drawers Contents
Traditional Japanese colors

How to save the streaming broadcast

How to Find a contract provider
Study of the Fishing float
My Family
福島原子力発電所土木工事の概要:1
福島原子力発電所土木工事の概要:2

Creation Date: 10-JUL-2010 
Miles Davis Kind of Blue 



Archives:The Drawers Contents
□ 2014/08/30 八木蛇落地悪谷 先祖からの警鐘 先人の教えに学ぶ

大規模な土砂災害に襲われた安佐南区八木地区の旧地名が、「八木蛇落地悪谷・やぎじゃらくじあしだに」だったことがネットで話題になっている。
凡そ「蛇」の名がつく土地は水と深く関係している場所だと云われる。過去にうねった川が土砂崩れを起こしたような場所は、「蛇崩れ・じゃくずれ」と呼ばれる。先人はこの「八木蛇落地悪谷」は「土砂崩れが起こりやすい地」であることをその名に残した。それを「上楽地・じょうらくじ」、「八木上楽地芦谷・やぎじょうらくじあしや」等のうそ臭い名に改めた馬鹿がおり、先人の教えが忘れ去られてしまった。残ったのは何の意味も持たない「八木」だけだ。これでは先祖の警鐘が無に帰す。
 

八木地区周辺は表土を真砂土(まさど)の層が覆っている。真砂土は花崗岩が風化してできた砂で、主に関西以西の山に広く分布し、地表に近い層に堆積する。非常に脆く(もろく)崩れ易く、多量の降雨で容易に流れ出す危険がある。それ故、花崗岩地帯の多くは砂防指定地や保安林に指定されている。開発に危険が伴うことは国も自治体も充分に承知していた筈だ。宅地開発の陰謀がもたらした結果としか思えない。誰が陰で利益を得ていたのか…
早急な土砂災害への対策が待たれるが、既にこの地に移り住んだ住民は「危険地帯だと認定され地価が下がる」ことを恐れてもいるらしい。しかし今回のような災害が再び発生すると、また多くの尊い人命が失われることは火を見るより明らかだ。
米国では河川の側等の災害が発生し易い土地に家を建てる者(権利)には、高額な税金が課せられる(義務)と云う。一旦災害が発生すると多額の税金を注ぎ込まねばならないからだ。
下は土地改良事業計画設計基準・計画「農地地すべり防止対策」基準書・技術書の34ページからの転載したもので、地すべりが発生し易い場所の地名に含まれる言葉を集めたものだ。
 
「地すべり災害を予防・軽減するための活動の手引き-住民の皆さんができる地すべり対策」」-農村振興局農村環境課(PDF)


 
昔からの地名や川の名にはそれなりの意味がある。特に地名は後世に注意を喚起する目的で名付けられたと思われるものが多々ある。岩手県宮古市重茂(おもえ)半島の鯔ヶ崎(とどがさき)灯台から南西へ約2kmの姉吉漁港の坂の上(海抜60m地点)には、先人からの警鐘が刻まれた石碑が建っている。
姉吉地区は、1896年(明治29年)の明治三陸地震と、1933年(昭和8年)の昭和三陸地震の2度に渡り大津波に襲われた。それぞれ生存者が2名と4名という壊滅的被害だ。
昭和8年の津波直後に建立された石碑には、「高き住居は児孫(じそん)の和楽(わらく) 想え惨禍の大津浪 此処より下に家を建てるな」と刻んである。昭和三陸地震以後、姉吉地区の住民はこの石碑より高い場所で暮らすようになったと云う。
壊滅的な被害で生存者甚だ少なかったこともあり、住居の移転は容易であったのだろうが、人口が多い地区での移住は簡単に捗らない(はかどらない)のが実情のようだ。 


街道は人や物の効率的な移動を目的とする。故に、可能な限り短時間でその目的を達成できるよう考えられている。その多くは平坦で歩き易いルートが選ばれ、山が連なるような土地では徐々に高度を上げる峠道になる。川も渡河し易い地点が選らばれる。海岸沿いに於いても、平坦な地が選ばれたことは想像に難くない。しかし、これはより海岸に近い場所を選択する結果となり、危険要素は増大する。
 

時代とともに街道が内陸に移動した地点も少なくはないが、効率だけを考え新たに海岸部に移ることもある。効率が優先されると「急がば回れ」の精神も、また姉吉の石碑の教訓も活かされない。
宮城県南三陸町では、1960年(昭和35年)のチリ沖地震(Mw9.5)の際に、津波到達地点を示すプレート(チリ地震津波水位)を易々と超えた。ここでは「経験の逆機能現象」が働き、プレートを避難の指標としていた多くの住民が逃げ遅れ、多大な犠牲者を出す結果となってしまった。
何故、過去の津波最高到達地点を同時に併記しなかったか、仮にその表記があれば逃げ遅れを防ぐことができたかもしれない。プレートは単なるモニュメントでない、注意喚起を促すことができて初めて経験が活きる。実に悔やまれる。

  発生した津波の最高位と到達時間・クリックで拡大

我々は先人の教えを「戒め」として後世に残してゆく義務と責任がある。 日本は自然災害の多い国だということを決して忘れてはならない。明後日の9月1日は「防災の日」だ。
   
エステ
inserted by FC2 system